算数プリント1枚!やりきる

小学生のY君

算数のプリントを1枚やりきりました。
翔和学園に来てから初めてのことです。

先輩とレゴをしながら過ごしているY君。
以前は個室でマンツーマンで過ごしていましたが、
少しづつ集団の中でも過ごせるようになってきています。

穏やかに過ごしている彼を
コミュニケーションベンチに呼んで話しました。
(このベンチはさみしい時に座ると、誰かがお話しに来てくれるベンチなのです)

「最近とっても頑張っているね。
4月君が翔和学園に来た時、毎日お友達をつねつねしていたけど。
一日に何回つねつねしてたか知っている?」

元々集団での活動をすごく不安に感じていました。
感覚統合の苦手さもあり、不安が高くなると、触覚刺激を強く求める傾向があるのです。言葉で感情を表現するのが苦手なため、本当は構ってほしいけど、それを上手く伝えられません。

その結果、「つねる」という行為になってしまっていました。

「100回くらい?」ちょっと申し訳なさそうな顔をして話すY君。

「先生、実は数えてたの。つねりに行くのが49回。
そのたびに10つねつねくらいしてたから、490つねつねしてた。
でも、今日は30つねつね!
凄く少なくなって。だから、集団の中で活動できるようになってきたんだね」

「我慢してるの」と彼は答える。

手放しに褒めてあげたいけれど、でも伝えなくてはいけないこともあります。
続けて話しました。
「ただね。みんなと過ごすなら、減っているだけじゃダメなんです。
 我慢しているのは分かるけれど、1回つねっちゃうと、それだけでもう問題。
 女の子をつねってあざができたとき、責任をとれますか。
 つねっちゃうのを何とか我慢できないと、みんなと一緒に過ごせなくなっちゃうよ。」

「もうつねらない」と彼は答えました。
夏休み前まで、彼とこういうやり取りが全然できませんでした。
彼の好きなことの話はできたけれど、やってはいけないことなど注意されると、すごく苦しそうな顔になって、やり取りが難しくなってしまったのです。

今は、「駄目なことはダメ」と伝えられた時も、
素直に受け止められるようになりました。ここが大きな成長です。

彼に話しました。
「今年もあと2月と3月で終わっちゃう。もうちょっと挑戦してみない?
今まで、翔和学園でレゴとか好きな活動だけやってきたでしょ。
 少しずつ勉強をしていけるといいと思う。だって、技師になるんでしょう。
 先生と一緒に、算数や理科をちょっとずつやってみようよ」

「お家ではできるけど、学校だと無理だよ」と不安そうにいうY君。
勉強するっていう雰囲気の中でやるのが嫌なのだそうでした。

なので、私の膝の上に彼を乗っけてみました。
「ここならできるでしょう。一番君が勉強しやすい場所は、先生の膝の上だ。
 ここでプリント1枚解いちゃいなさい」

バインダーに挟んだ問題と、鉛筆・消しゴムを渡したら、
「1問だけね」と言って、プリントの問題をやり始めました。
「やった!!できた!!まだいけるよ!!!」と私が言うと、他の問題も解き始めました。

最終的に、計算復習テスト1枚を終わらせることができました。
「よく頑張ったね!!これから毎日、1枚ずつくらい算数もやっていこう」と伝えると、ニコッとして「うん」と答えてくれました。

そして、次の日。
今度は私の膝に乗らなくても大丈夫でした。
床の上に寝そべりながらでしたが、算数プリントを1枚やり切ることができました。

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