ここ数か月、長期にわたりお休みをしている学生がいます。
日々の電話に加え、教員も学生も様々なタイミングで声掛けをしてきました。
合宿や運動会の練習、アフター5…
これなら参加できるのではないかと電話で話し、メールをし、親御さんとも相談します。
「明日は行けそうな気がする」
「明日は必ず行く」
そういうことは何回もありました。
合宿の時には、荷物を現地に郵送してくれましたが・・・やはり参加できませんでした。
翔和学園では「一人のもれもなく」という言葉を大切にしています。
今年度も半分以上が過ぎました。
年度末へ向かっていく中、文化祭、研修旅行、成人式、そして卒業式…
学生自身で決め、実施する、主体性を大事にするプロジェクトベースの活動をする中で、
「参加できない学生がいること」
この事実を皆で共有し向き合い、どうしていくべきかを話し合っていきます。
何度も「行けそうな気持ち」になる不登校の仲間の背中を押したい。
そんな学生もいます。
かつては自分たちも不登校であった先輩や仲間が、学校にこられない学生の家に遊びに行きました。楽しい時を過ごしました。「明日から学校で会おうね」と声を掛けます。
「明日は必ず行く」という言葉を引き出せました。
…それでも、やっぱり来られない日が続きます。
そこで今朝は、有志が自宅まで迎えに行きました。
早朝の「アフター5」企画です。
朝が苦手な学生もクラスメイトの為に来てくれました。
先輩たちや仲間も誰かの為に行動することが、相手だけでなく、自分の喜びになる、
そんなことも学んでもらいたい。
先輩・仲間たちの訪問で、
数か月ぶりに学校に来ました。
ここからが勝負です。
折角来てくれた学生に、絶対に「来てよかった」という経験をさせられなければ、二度と登校してもらえません。
学生たちに問いかけます。
今日はどんなことをしたら、いいだろう?
「ディズニーランド」、「映画」、「動物園」・・・
楽しいことは数あれど、時間や費用などの問題もあります。
様々な意見があるなか、一人の女学生が提案しました。
「都庁の展望台は?」
「それがいい!」、拍手が起きました。
というわけで、今日はプログラムを変更し、
都庁の展望台に歩いて出かけることになりました。
帰りのホームルームでは、今日一の楽しい姿をスライドショーで振り返り、
皆で歌を歌います。
今日は学校に来て、「良かった」。そう思ってもらえたようです。
ひとまず今日の勝負は「勝利」です。
ただ、来週から学校に通えるかどうか。
まだまだ、これから勝負の日々が続きます。