もうすぐ誕生日を向かえるYさんに、何日か前から、お誕生日の話をしてきました。
教職員が「お祝いをしようね」と声をかけると決まって不機嫌になります。
「わたしはそういうの嫌いなの!」
「だったら、その日は休もうと思う!」
「だって、誕生日なんていいこと何にもないじゃん!」
…『いいことがなんにもない』ってどういうことだろう、と考えるのですが
どんな気持ちでこの言葉を話しているのかよくわかりません。
■誕生日当日
「Yさんのハッピーバースデーやろう!」と松本先生がクラスメイトに声をかけました。ZOOM授業の合間に準備をすすめ、PCの画面には、誕生日を祝うためクラスメイトみんなでYさんを笑顔で待ちます。
別の教室で突っ伏して寝ているYさんを無理に起こして、PCを開かせ、ZOOMを立ち上げ、皆で「誕生日おめでとう」と伝えました。手拍子でハッピバースデーの歌を送りました。
Yさん、恥ずかしいのか、教室を飛び出し、何度もZOOMに顔を出したり隠れたり。
そして、ペットボトルロケットが飛んだことを「東京校の先生や皆に伝えた?」としきりに確認してきます。
今日は、午前中の授業ではじめてYさんがペットボトルロケットの打ち上げに成功した日でした。昨日まで失敗続きでしたが、ようやくロケットが飛んだ喜びを、皆で共有したかったようです。
「また(ロケット)やってもいいと思った」と話します。
Yさんが繰り返し授業に参加したいって言うことは滅多にありません。
Yさんのロケットが初めて青空に向かって飛び、皆さんにハッピーバースデーを歌っていただけた今年の誕生日は、Yさんにとって特別な一日になったようです。