3月16日の卒業式・修了式。
在校生のS君も壁を乗り越えました。
翔和学園大学部 学級通信より
舞台袖の私の横にスッと歩いてきて、拳を握りしめ立つS君。
彼のスピーチの順番までは、あと5人。
まだ並ぶタイミングでなかったのですが、S君は、会場のドアの近くに立っている私の隣までやってきたのです。
緊張で手が震えていました。
顔も少しこわばっています。
でも、目をつぶって深呼吸するなど、必死にスピーチに向かう心の準備をしていました。
彼の決意を感じました。
彼には次のように伝えました。
「大丈夫です。昨日の劇練習、みんなの前で、たった一人で声が出せたでしょう。失敗してもいい。声が裏返ってもいい。でも、真剣にやりなさい。その姿を笑う人はだれもいない」
何度も力強く頷くS君。
私はその姿に成長を感じました。
「本当はできるけれど、やらない。ごまかすために照れ笑いをしてしまう。」
これがS君の課題でした。
舞台でスピーチをするS君。
客席には100名以上の人が座っています。
途中、読みをつっかえても、ごまかすことなく、堂々と読み直していました。
スピーチの内容も良かったけど、そこに向かっていくS君の姿がとても素敵に見えました。