翔和学園大学部2年生は、ここ4日間「成人の決意」のスピーチを書いています。今日は土曜日ですが、明後日の本番に向けて休日返上です。まだ書き終わっていない学生は、連休の遊びの約束もキャンセルして参加します。すっぽかす人は誰もいません。スピーチの大切さは先輩たちから連綿と受け継がれ、今では伝統になっています。
私たちが成人式を行うのには理由があります。翔和学園の学生の多くが、地元の成人式にいきません。もちろん地元の式に出られる方は、そちらを優先してもらっていますが、かつての友達と地元で「二十歳」を祝う気になれない方が沢山いるからです。だから、私たちはすべての学生に「成人式」を祝うために学園で成人式を行います。
これまで歩んだ20歳の道のりが他より険しかったからこそ、親子でしっかりした「式」でお祝いをしてもらいたいと考えています。スピーチをし、家族だけの記念写真をとり、参拝をし、先輩たちも参加し盛大な祝賀会を開きます。
そのために、不可欠なものが、彼ら自身の言葉でつずった20年間分が詰まった「成人の決意」のスピーチです。 それぞれ不器用ながらも親への感謝やこれまでの人生などを、できるだけ深く語ってもらいます。ノート一冊を渡し、書けるだけのことを絞り出してもらい、まとめます。文を削り、下書きをし、読み上げの練習をし、誤字脱字の確認を合格した人が、清書に移ります。
完成した学生から帰ってもらいます。現在残り3名。今日はスピーチ作成最終日、清書がおわるまで、帰りません。