コロナウィルスの感染拡大の対応に追われ、ご報告が遅れてしまいましたが、翔和学園では、突然の臨時休校を迎えたため、卒業生をオーダーメイド出前卒業式に切り替えて送り出しました。
■出前卒業式のテーマ
コロナウイルスによって突如、終わりを告げたA君(小6)の小学校生活。
学園はずっと休校ですが、卒業式だけは実施されることが決まりました。
彼の卒業式の望みは、たった一つ。「友達に会いたい…」です。
職員一同知恵を絞り、彼だけのためのオーダーメイド卒業式を企画しました。
卒業式を行う場所は、希望により、A君のご自宅に決まりました。
テーマは『人とのつながりを実感する卒業式です』
■迎えた当日 2020年3月19日(木)
A君は、休校中も連絡手段として使用していたSlack(チャットシステム)上で
「今日卒業式(俺の)だー!」と書き込み。
朝からとても楽しみにしてくれていました。
感染リスクを避け、職員は公共機関は使わず、社用車で向かいました。
家の近くまで到着すると、外まで出迎えにきてくれました。
ビシッと正装姿で待っていてくれたA君を見て、私たちも気が引き締まります。自宅についたら、早速準備開始です。本人は自室で待っててもらい、その間に準備をしました。
ご両親の許可を得て、学園から持ち込んだ花の装飾や「おめでとう」と書かれた紙の装飾を、次々と壁に貼り付けていきます。
同時に、ZOOM(オンラインのビデオシステム)を使って、学園で待機している大学生と繋ぎます。
「みんなでお菓子を食べたい」と言っていた希望通り、
机の上には、お菓子と飲み物を用意しました。
準備が終わると、A君を呼び、いよいよ卒業式開始です。職員、家族、ZOOMで繋がった仲間たちからの拍手を浴びながら入場したA君。
装飾やお菓子を見て、嬉しそうにしてくれました。
お菓子を手にして真っ先に向かったのは、大学生の顔がたくさん映し出されているZOOMの前です。
画面に顔を近づけ「お~い!」と嬉しそうに手を振ると、
大学生の先輩から「おめでとう!」の声が返ってきました。
飲物を手にして、ZOOMの前で、一緒に乾杯をしました。
小中学部の仲間のB君もZOOMを繋げて、加わってくれました。
ZOOMで繋がった仲間から、お祝いのメッセージをもらいながら、大好きなお菓子を食べました。「おいしい」と満足気でした。
一段落したところで、ZOOMはおしまいです。
切る直前には、ZOOMの中の仲間たちを背景に、記念撮影をしました。みんなと一緒にいるようで、S君はとても嬉しそうな顔をしていました。
■素敵なところランキング
その後、『A君の素敵なところランキング』と称して、学園生活を振り返りながら、表彰を行いました。
はじめのうちは、「なにこれ?」と突っ込みをいれながら、見ていました。
彼の素敵なところ第3位は炎の料理人、第2位はスーパーダンサーです。文化祭や運動会など、それぞれエピソードを交えながら、頑張りを振り返りました。
はじめのうちは、突っ込みを入れながら聞いていたA君も、だんだん真剣に聞いてくれました。
そしてA君の素敵なところ第1位は………
みんなに愛されていたところです。
今回、この卒業式に向けて、たくさんの仲間や職員がA君のためにメッセージをくれたり、協力してくれたりしました。そのことが、彼がみんなから愛されていた何よりの証です。
照れ臭そうにしながらも、このランキングをとても喜んでくれました。
最後に、A君の学園生活を凝縮したスライドショーを流し、記念撮影をしました。ご家族も本人も大満足の中、卒業式を終えることができました。
帰り際、家の外まで見送りに来てくれたA君。
「仲間からのメッセージが一番嬉しかったな。」と言っていました。
卒業式を終え、学園に戻ったら、Slackにこんなメッセージが届いていました。
「最高の卒業式をありがとうございましたm(՞ةڼ◔)m」
仲間や先生たちとの繋がりを忘れずに、中学校生活も頑張ってくれることを願っています。
―――ご両親より以下のメッセージを受け取りました。
みなさま
本日は、本当に素敵な卒業式ありがとうございました!先生方を見送りしたあと、息子が少し涙ぐんで部屋に戻ってきました。
終始照れていましたが、感動していました。
差し支えなければ、きょう見せていただいたパワポや動画を頂けないでしょうか。家宝にしたいと思います。
間違いなく、僕や妻が経験した卒業式の中でNo.1の卒業式でした。
本当にありがとうございました。最高の思い出になりました。